2016/06/29 12:01

◯ピンホールは万能レンズ??


私たちが普段ものを見ているときは、水晶体という凸レンズの厚みを毛様体筋という微細な筋肉が調節し、入ってきた光の束を屈折させて、目の奥でスクリーンの役割を果たす網膜に集約させることで光の像を映し出しています。


しかし、毛様体筋の硬直や衰えなどにより、光の焦点が網膜の手前に来たり、後方にズレたりする屈折異常の起こることがあります。そして、網膜の手前で焦点が合う屈折異常を近視、網膜の後方で焦点が合う屈折異常を遠視や老眼と呼ぶわけです。


ところが、ピント向上マスクでの針穴を覗くと、光が針穴によって、あらかじめ集約された細い状態で入ってくるため、わざわざ水晶体の厚みを変えて、光を屈折させなくても、焦点が網膜でピタリと合うようになるのです。




だからこそ、針穴をのぞけば近視の人も老眼の人でも、遠くと近くにピントをきちんと合わせて見ることができるわけです。そのためピンホールは「万能レンズ」とも呼ばれています。


実はピンホールつきアイマスクの歴史は古く、1000年以上前から中国の新疆ウイグル自治区の砂漠地帯では、光や風砂から目を守るための遮光器として、小さな針穴を開けた金属製のアイマスクが使われていたそうなんです。


こうした原始的な仕組みとも言えるピンホール現象が、現代人の目を癒す方法として新たに注目されていることは、非常に興味深い現象といえるでしょう。


近眼や老眼・遠視など目の屈折異常がある人でも、遠くと近くをはっきり見られることが、ピンホール現象の最大の機能なのです!





  • Home
  • About
  • Blog